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2005年12月08日
仕組みと決意
[日々雑感]
ある意味大変困ったことが、一つのおとなの解決になった事例。
システムにはシステムの持つ限界値がある。できる範囲、できない範囲、これはロジックやスペックで決まってしまうものなので、それを超えることはできないわけですね。単純。
しかし、そのシステムを運用によってカバーすることができる。運用というと広すぎるけど、失敗しないための手順、あるいは心得。
よく話題にしてる「セキュリティ」あるいは「情報管理」だけど、いくらシステムでがちがちに固めたって、使う人間の性根が悪ければ、簡単に突破できる。物理的にあるいは人間的に突き詰めていけば、結局は穴だらけ。遠くからばれないようにやるのは大変だけど、ばれていいからやっちゃおうと思えば、逆に簡単。
でもって、あるプアーな仕組みを使わざるを得ない人がいた。しかも本業ではない。となると、残すフェイルセーフは、その本人の誠意あるいは決意になってしまう。…で、その人は誠意がなく決意もなかった。やらされている、自分のせいじゃない、どうしてこんなシステムなんだ…ときっと不満たらたらだったのでしょう。
問題がそこに起きてしまった。たまたま、その対象にボクが入っていた。ま、そういう事件があったわけです。
当然ながら、ボクとしては仕組みのみならず手順が気になります。起きたことは仕方がない。しかし、それはなぜ起きたのか、どうすれば防げたのか、どうやって防ぐのか。その手立てが見えなければ、危険がただ放置されているに過ぎないことになってしまう。
今朝、その件で担当者と直接話すことになった。担当者は、「自分のせいじゃない」「怒られたってどうにもできない」という意識が満面に出た表情で打合せにやってきた。
開口一番、心得を伝えた。「後でわかるかもしれませんが、たぶん今日のこの打合せはアナタにとって踏ん張りどころだと思いますよ」
言われたほうはよくわかっていない。腕組みをして不服そうな顔をして何もしゃべらず黙っている。
追加で質問をした。「問題の根本はなんだったと思いますか?」
答えはない。ずっと無言で10分ほど待ってみる。重苦しい雰囲気。相手もボクもタバコに火をつける。相手のタバコを持つ手が震えている。これは、正直続けても仕方がないと悟る。
そこから、システムの問題点を説明する。それは当然相手もわかっている。その問題点を顕在化させないための手順のアイデアをいくつか伝えてみる。次第に相手はボクのいいたいことが分かってくる。納得とは何か、説得とは何か、共通意識とは何か、責任を如何に分散するか、システムで足りないことが如何に手順で補えるかをゆっくりと説明した。
説明されている相手は、次第に顔つきが変わってくる。自分に足りていなかった「意識」の問題に気付いてくる。
そして再度最初の質問をしてみた。「根本的な原因はなんだったと思いますか?」
彼が答えた。「できることを怠っていたことです」
そうその通り。簡単なことなのですよね。その意識がないときに、トラブルは起きる。もちろん意識してても起きるんだけど、起きたときの対応速度は段違いなのです。でもって、対応速度が速ければ被害は小さいままで食い止められる。それより何より、再発する危険性は格段に減っていく。
この繰り返しが、強い組織を作り出していくんだと思う。
ただ、なんでしょう。言われたことをやっているだけの人が、どーにもこーにも増えてきているように思えてならない。逆に言えば言われないことはやらなくていいと思っているといえばいいのかな。こんな風に思うのはおじさんになってきたせいなのかと、ちょいと寂しく思いつつ、でもおじさんでもいいからやはりシステムを補完するルールを提唱したいと思うのであった。
最初になぜ「踏ん張りどころ」と言ったのかどうやら理解できたようだった。そして踏ん張ってくれたんだろうと感じた。
最後に、「ボクが今どんな言葉をあなたから聞きたいか分かりますか?」ときいてみた。
即座に本人の意思で的確な回答が返ってきたのを聞いて、ちょっと胸をなでおろしたのでした。
…とはいうものの…おとなの対応は、正直疲れる。
投稿者 akio : 2005年12月08日 01:35
